HNRNPK(heterogeneous nuclear ribonucleoprotein K、hnRNP K、protein K)は、ヒトではHNPNPK遺伝子にコードされるタンパク質である。細胞核に位置し、hnRNPの構成要素としてpre-mRNAに結合している。サルのホモログはH16として知られている。どちらのタンパク質も一本鎖DNAやRNAに結合し、大部分の遺伝子の転写を担うRNAポリメラーゼIIの活性を刺激する。DNAとRNAに対する相対的親和性は溶液条件によって異なり、逆相関している。すなわち、DNAとの強固な結合が促進される条件下ではRNAへの結合は弱まる。
HNRNPKのRNA結合ドメインに類似したドメインは他のタンパク質にも存在し、KHドメイン(K-homology domain)と呼ばれる。
HNRNPKは大腸がんと関係した研究の対象となっており、点変異を有するアイソフォームの発現を誘導する、がん細胞特異的なRNA編集があることが知られている。
機能
HNRNPKは普遍的に発現しており、ヘテロ核リボヌクレオタンパク質(hnRNP)のサブファミリーに属する。hnRNPはRNA結合タンパク質であり、ヘテロ核RNA(hnRNA)と複合体を形成する。hnRNPは核内でpre-mRNAと結合し、pre-mRNAのプロセシングのほか、その他mRNAの代謝や輸送に関する側面に影響を及ぼしているようである。全てのhnRNPは核内に存在しているが、その一部は核と細胞質の間を往復しているようである。
hnRNPは明確な核酸結合能を示す。HNRNPKは核質に位置し、RNAを結合する3つのKHドメインから構成される。HNRNPKはポリ(C)配列に強固に結合するという、他のhnRNPとは異なる結合特性を持つ。このタンパク質は細胞周期の進行にも関与していると考えられている。HNRNPK遺伝子には複数の選択的スプライシングバリアントが記載されているが、それらすべてに対して十分な特性解析がなされているわけではない。
Hnrnpkの双方のコピーに変異を有するマウスは胎生致死となる。双方のコピーをノックアウトしたマウスは胚発生14日以前に致死となる。
臨床的意義
Au-Kline症候群
HNRNPKの変異はAu-Kline症候群の原因となる。
血液のがん
急性骨髄性白血病症例の約2%では、HNRNPK周囲の領域に欠失がみられる。さらに、Hnrnpk遺伝子の1コピーを人為的にノックアウトしたマウスの大部分は骨髄性白血病を発症し、1/3はリンパ腫、4%は肝細胞がんを発症する。こうしたマウスは野生型よりも小さく、器官の形成不全や高い出生後致死率(39%)を示す。マウスの寿命の中央値は野生型マウスの50%未満である。HNRNPKの欠乏は、特定の血球細胞の分化に関与する転写因子であるCEBPAのp42アイソフォームや、DNA修復のための細胞成長の停止に関与するp21の発現レベルを特異的に低下させるようである。
HNRNPKの過剰発現もがんに寄与するようであるが、転写ではなく翻訳段階の機構を介していゐるようである。
相互作用
HNRNPKは次に挙げる因子と相互作用することが示されている。
- CSK
- DDX1
- HNRNPL
- KHDRBS1
- PCBP2
- PRMT1
- PTBP1
出典
関連文献
外部リンク
- Overview of all the structural information available in the PDB for UniProt: P61978 (Human Heterogeneous nuclear ribonucleoprotein K (HNRNPK)) at the PDBe-KB.




