チミジン (Thymidine)はピリミジンデオキシヌクレオシドのひとつである。チミジンはDNAヌクレオシド(記号 dT)であり、DNAの二重鎖ではデオキシアデノシン (dA) と対を形成する。細胞生物学的には細胞周期のG1期/S期初期に同期するために使用される。

構造および性質

チミジンはデオキシリボース(五炭糖の一種)がピリミジン塩基のチミンに接続した構造である。

チミジンはモノ、ジ、トリリン酸化されて、対応する dTMP, dTDP, dTTP を生成する。

固体の形状では白い微細な結晶か結晶性の粉末であり、分子量は242.299、融点は185℃。常温常圧環境下ではチミジンはとても安定である。

チミジンの毒性は知られておらず、生体やDNAウイルスなど天然に存在するDNAの4つのヌクレオシドの1つである。RNAには、チミジンの代わりにウリジン(ウラシルがリボースに接続したもの)が含まれる。ウラシルの化学的性質はチミン、すなわち5-メチルウラシルと非常に似通っている。チミンヌクレオチドは、RNA前駆体ではなく、DNA前駆体であるため、前置辞のdがつけられることがある。

チミジンアナログ

チミジンアナログを以下に示す。

  • ヨードデオキシウリジン:放射線増感剤、イオン化放射線を照射したときにDNAのうけるダメージ量を増加させる。
  • アジドチミジン (AZT):抗HIV治療薬。レトロウイルスのRNAが宿主DNAに組み込まれる際の逆転写プロセスを阻害する。
  • トリチウム化チミジン:細胞増殖アッセイに広く使用されている。チミジンは細胞分裂時に取り込まれ、取り込み量は液体シンチレータにより測定され、カウントは細胞増殖量に比例する。
  • ブロモデオキシウリジン (BrdU):生体組織での細胞増殖の検出に使用される。優れた抗BrdU抗体が利用できるようになったため、免疫組織化学染色によって検出可能である。トリチウムのような放射性同位元素による標識が不要となり、広く普及した。


チミジン取り込みアッセイ

チミジン / ことり さんのイラスト ニコニコ静画 (イラスト)

Thymidine powder, BioReagent, cell culture mammalian 50895

シメチジン (シメチジン) JapaneseEnglish Dictionary JapaneseClass.jp

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